止まっていた時間が動き出す ゆっくり、ゆっくり、動き出す 知らない景色が溢れて来る 溢れて来るのは、太陽を忘れた夜の世界 月明かりだけが道標 夜の世界 : 第一節 「龍麻、龍麻」 手を引っ張られて、龍麻は振り返った。 後ろをついて歩くのは、自分よりも僅かに身長の低い少女。 「龍麻、アレなんだ?」 つい今しがた通り過ぎた場所に聳える木を指差して、少女――――京子は問う。 誰もが知っている事を問うてくる彼女は、全ての記憶を失っている。 だから問いかけてくる言葉は真剣そのもので、彼女の内側はまるで赤子のようだった。 京子が指差した木の上には、仄かに光を放つ花が咲いていた。 一つではない、枝の先端にぽつりぽつりと、両手で数えて足りぬ程の数。 夜に支配された世界で、少しでも見つけて貰いたくて、光る花。 「花だよ。京、花も知らない?」 「知らねェ」 「…あそこには置いてなかったからね」 数歩離れて歩く八剣が呟いた。 龍麻は、京子がいたあの部屋をよくよく見ては居なかったが、確かに何もない部屋だった。 白い椅子とテーブル、ベッド―――――他には、細い窓が一つだけ。 八剣が何を考えて、そんな場所に彼女を置いていたのか、龍麻はまだ判じ兼ねる。 だが八剣らしくない事は確かで、ならば彼なりの理由は多分何処かにあるのだろう。 今のところ、聞くつもりはなかったけれど。 「花ってのか、アレ」 「うん。こっちにあるのも花だよ」 「色も形も違うぜ」 「色々あるんだよ。木が一つ一つ違うのと同じ」 こうして話をしていると、彼女が本当に何も覚えていないのだと実感させられる。 嘗て、龍麻に沢山のことを教えてくれたのは、彼女の方だったのに。 彼女が知らないことを、自分が教えることが出来るのは、少し嬉しかった。 けれど、彼女が昔のことを一つも覚えていないと言う事は、自分と過ごした時間のことも彼女にとっては白紙の出来事なのだ。 それがほんの少しだけ寂しくて、それでも龍麻は、それが表情に出ないようにと勤めた。 「花は、皆あんなに明るいのか?」 京子が興味を示した花も、龍麻が指差した花も、色と明度こそ違えど、どちらも輝いていた。 けれども、京子の言葉に龍麻は首を横に振る。 「全部じゃないよ。光らない花も一杯ある。昔は、光ってる花の方が少なかったんだ」 「なんで光るようになったんだ?」 「うーんとね……」 ―――――太陽が失われてから、どれ程の歳月が流れたか。 その内に植物――主に花だ――たちは新たな進化を経て、月の光から得られる最低限の光合成のみを頼りにし、それぞれ寿命も随分短くなった。 短命になった代わりに――何処でどういう変化が起きたのか、専門的な分野は龍麻も知らない――、花弁が光を放つようになり、虫を誘って各々の花粉を運ばせ、受粉させて、新たな命を作り出すようになった。 進化の過程で絶滅した種は、龍麻が知っている限りでも、随分と多い。 遥か昔の姿形、性質を持ったまま生き延びたのは、光合成を必要としない菌類程度ではないだろうか。 それでも、以前よりもずっと短くなったサイクルの中で、植物たちは懸命に生き、種を残している。 と、説明を求められた龍麻の頭を巡ったのは、そういうことであったが、目の前の少女に恐らくそれらを理解する事は困難だろう。 進化だの光合成だの、受粉だの、菌類だの、京子は全く知らない。 だから全部を要約して、縮めて、判り易くして、 「光っている方が、良かったからじゃないかな」 「ふーん……」 端から端まで飛ばして、浮かんだ答えはなんとも簡素なもの。 しかし、京子はそれで納得したらしい。 「そうか。目立つしな」 また木の上で光る花を見つけて、京子はそれを見上げながら呟いた。 確かに、暗い森の中で光る花は、よく目立つ。 淡い小さな光ではあったが、自己の存在を主張するには十分だった。 進化の中で、殆どの花は、単体の数を減らして行った。 故に、群生することも少なくなった為、個々の存在のみを主張するには、都合が良かった。 あまりに小さな植物は、まだ群生する習性を残してはいるけれど。 そしてそれぞれの色素も減り、殆どが白や黄色のような、闇に映える色になった。 これも恐らく、昆虫たちに自らを見つけて貰い易いようにという進化の結果なのだろう。 赤や青では、光が当たらなければ、それらは黒とも見紛う事もあり、夜の世界では見つけられないから。 手を引かれて歩きながら、京子は落ち着きなく、あちらこちらを見回している。 何もかもが初めて見るものだから、そうするのも仕方のない事だ。 取り合えず、足元も気をつけてね、とだけ言って、龍麻は京子の手を引いて歩いた。 「あれも光ってンな」 「さっきのと同じ花だよ」 「あっちは?」 「別の花だね」 種類も名前も龍麻は判ったが、今は言わなかった。 いきなり沢山のことを覚えるのは無理がある。 今の京子には、視覚刺激だけでも十分だろう。 ガサリ、と茂みから音がした。 京子が立ち止まって、龍麻も半歩遅れて立ち止まる。 その後ろで、八剣もまた足を止めた。 京子の視線は音のした茂みへと向けられている。 茂みの向こうは木々が生い茂り、見通すことは出来ない。 かさ、かさりと音が何度か続いて、其処からぴょっこりと飛び出してきたものは、 「兎だ」 「兎だね」 「…うさぎ?」 白い兎が、一羽。 ふんふんと鼻を鳴らして、兎は此方の様子を伺っているようだった。 京子が動こうとしないので、龍麻と八剣も静止した状態が続く。 京子の瞳はじっと兎へと向けられていて、興味津々、と言った様子だ。 先に動いたのは、兎の方。 兎はちょこちょこ足を動かして、京子の足元に近付いた。 「なんだ?」 「懐かれたんだよ」 「なつか……」 「兎が京ちゃんを気に入ったって事さ」 足元に擦り寄る兎に、京子はどうして良いのか判らない。 龍麻が兎を抱き上げると、兎は暴れることなく、腕の中に納まった。 「触ってみる?」 「え? あ…え?」 「大丈夫だよ、大人しいから」 「いや……触るって、何処……」 「何処でもいいよ。あ、背中撫でてみる?」 背中って何処だ? と言わんばかりに京子が首を傾げた。 兎を抱いて両手の塞がっている龍麻の変わりに、八剣が兎の背を撫でた。 八剣の手が引いてから、京子はそろそろと手を伸ばす。 京子の手が、兎の白い背に触れた。 兎の耳がピンと一度動いて、兎の頭が京子の方へ向けられる。 じっと見つめる兎に気付かず、京子はふわふわとした毛並みを撫でた。 「柔らけ……」 「抱っこする?」 龍麻の言葉に、京子は迷うように頭を掻いた。 「加減が判んねェ……」 「加減?」 「なんか……潰しそう…」 小さく呟く京子に、龍麻は思わず、八剣と顔を見合わせる。 それを見て、京子は頭を掻きながら続ける。 「だ…ってよ、なんか小せェし柔らけーし……だからなんか、だから、」 潰しそう。 もう一度呟いて、京子は目を泳がせた。 少々意外な反応だったが、抱きたくない訳でもないのだろうと言う事は、彷徨う京子の手が物語る。 うろうろとして落ち着きがないのは、恐らく、抱き方が判らない為だ。 触り方すら判らなかったのだから、無理もない。 龍麻はクスリと微笑んで、兎を京子に差し出す。 「腕に乗せるだけだよ。僕と同じ格好して」 「……こうか?」 「うん」 胸の前で腕を交差させる京子。 龍麻は、其処にそっと兎を下ろしてやった。 ふわふわとした毛並みと、小さな温もりに、京子はおっかなびっくりだ。 「わ、わ……ッ」 「ほらね、大丈夫」 京子は、龍麻の言葉になんとか頷いた。 視線は自分の腕の中に釘付けのまま。 兎はすんすんと鼻を鳴らして、京子の手に頬を寄せる。 京子は完全に硬直していた。 その反応が彼女にしては珍しく初々しくて、龍麻は少し新鮮な気分だ。 以前の彼女はもっと豪胆と言うか、とにかく大胆だったので、こんな仕種は今まで殆ど見た事がない。 何も持っていない今だから、虚勢も何もない彼女の素の姿が見れるのかも知れない。 「なあ、コレ、コレどうすりゃいいんだ? どうすんだ?」 「京がもういいかなって思ったら、下ろしてあげなよ。家に帰ると思うから」 「家?」 「この子が住む処だよ」 判らない事だらけで聞いてくる京子に、答える。 京子は、あまり長い間抱いている事は出来なかったようで、程なく、兎を地面に下ろした。 無為に落とさないように慎重に、ゆっくりと。 そして無事に地面に降りた兎は、ぴょこょこ跳んで、出てきた時とは反対側の茂みに潜って行った。 兎が潜っていった茂みの向こうを、京子はしばらく見つめ、 「……色んなモンあるんだな、外って」 ぽつりと呟かれた言の葉は、心の底から歓心しているようで、龍麻は嬉しくなる。 その隣で、八剣もまた、喜びを感じる自分を感じていた。 進む道を歩き続けて、どれ程の時間が経ったか。 太陽が存在していた頃のように空は変化しないから、明確な時間と言うものは、随分昔に意義を失った。 一応、時計と言う文明の利器はそのまま残っているが、それは最早、世界の時間を知る為のものではない。 時間が動いていると言う事、最初から今まででどれだけの時間が経ったかと言う事柄を知る為の物となった。 龍麻が懐に忍ばせていた時計を確認した時、京子が“天の塔”を後にしてから、二時間が経っていた。 「龍麻、それなんだ?」 ひょいっと覗き込んできた京子。 視線は時計に釘付けだ。 そう、あの部屋には時計など存在していなかったから、京子は“時計”を知らない。 時間の経過を知らせるのが、夜の空の微妙な変化だけではない事を、今の京子は経験していなかった。 「時計」 「……とけい?」 「時間が判るんだ」 1から12が円状に並び、長針と短針が毎分動きながら数字を指し、時間を示す。 “天の塔”を離れた時、短針は2を指していた。 今は4を指している。 「京、疲れない?」 「………?」 京子が首を傾げる。 今日一日で何度も見た、意味が判らない、と示す仕種。 「足が痛いとか、もう歩けそうにないって感じ、する?」 「……歩けるけど……?」 「無理はしない方がいいよ」 八剣が割り込んだ。 「京ちゃんは、多分まだ“疲れた”も“無理”も判らないから、俺達で判断した方がいい」 言われて、それもそうか、と龍麻は思う。 自分と逢った時、“天の塔”を飛び降りる時、怖くないかと聞いたら、京子は首を傾げた。 変化のない安寧の小さな世界にいた京子は、それらの感情を意識するような事柄から隔絶された。 経験した事のない感情は、自分でも未だ把握できないから、何がどうなったら“疲れた”になるのか、今の京子は自分で判断が出来ないのだ。 あの小さな世界だけで生きていたら、疲れるほど歩き回ることも滅多にないだろうし、蓄積された疲労で身体が眠りを欲すれば、常備されていたベッドで横になればいい。 自然に眠って自然に目覚めた頃には、無理も疲労も発散されていただろう。 「今日は此処までにして、野宿しようか」 「…のじゅく?」 「外で寝るんだよ」 野宿についての説明を八剣に任せ、龍麻は辺りを見回した。 目を凝らして生い茂る木々の向こうを見て、川が流れているのをなんとか見つける事が出来た。 こっち、と一言だけ促し、龍麻は茂みの中に入る。 戸惑う京子の瀬を押して、八剣も京子と並んで茂みに足を踏み入れた。 がさがさと音が鳴る。 その音を聞きつけたのだろう、暗闇の中で時折何かが動いていた。 動物たちだ。 暗闇の中で京子は見えないだろうが、気配は感じるのか。 きょろきょろと辺りを見回して、八剣に背中を押されて漸う前に進んでいる。 直ぐに川辺に辿り着く。 さらさらと流れる小川に、京子が近付いた。 「…………?」 これも、“天の塔”にいては縁のないものだ。 龍麻は水筒を取り出して、川辺に立ち尽くす京子の隣に立つ。 気付いて振り返った京子と目が合って、龍麻は笑みを浮かべた。 「川って言うんだ。喉、乾いない? 汲むから少し待ってて」 京子の返事を待たずに、龍麻は水筒を川に沈め、水を入れる。 さらさらと流れる水は、綺麗なものだった。 一杯になった水筒に中蓋をして、外蓋で川の水を汲む。 少し口をつけてみると、水質は澄んだもので、ひんやりと冷えて美味しかった。 「はい」 差し出された水を受け取って、京子はそれを口に運んだ。 喉が上下する。 「美味しい?」 「……判んねェ」 比べるべき対象が記憶にないから、この答えは仕方がない。 苦味を訴えるような顔はしなかったから、及第点と言う所か。 ボッと後ろの方で音がして、振り返れば火が焚かれていた。 八剣が起こしたのだろう。 京子はこれも初めて見るものだったようで、空になった蓋を龍麻に返し、炎に近付いてしげしげと見つめる。 「あんまり近くで見ていると、目が痛くなるよ」 八剣が笑って言った。 そんな傍から、京子の網膜はもう嫌だと訴えていたようで、京子は目を擦る。 パチパチと閃く炎は、暗い世界に目が慣れていた京子にとって、強烈な刺激だったらしい。 何度も目を擦りながらも、京子は焚き火の傍から離れなかった。 その瞳の中で揺らめき煌く炎の色に、龍麻は笑みを深めた。 龍麻も火の傍に落ち着くと、飯盒と干飯を用意する。 飯盒に水を入れて火にかけると、京子が不思議そうにそれをじっと見た。 「龍麻、コレなんだ?」 「飯盒」 「…はんごう?」 「今からご飯の用意。お腹空いたし」 と、龍麻が言った直後、京子の腹が盛大に鳴った。 「……空いた、のか? オレ」 「みたいだね」 自分の事を訊ねて来る京子に、龍麻は笑って頷いた。 あの塔の中では、定期的に八剣が食事を運んできた。 空が微細な変化を映し出す頃合に。 持って来られれば食べていて、腹は十分満たされて、空いたと思う前に八剣はまた部屋にやって来る。 だから京子は、腹が鳴るまで食事をしなかったことはなかったと言って良い。 動き回ってエネルギーを消費する事もなかった。 龍麻はそれを知らないが、それでも、そう言った事にさえ不自由することはなかったのだと判る。 八剣が世話をしていたと言うのなら、その程度は容易に想像できた。 沸騰した湯に削り節を入れて、もう一煮立ちさせてから、干飯を流し込む。 少し待つと、直ぐに干飯はふやけて、柔らかくなった。 「もう食べれるよ」 器に移して、箸と一緒に京子に差し出す。 京子は受け取ったその中身を、少しの間不思議そうに覗き込んでいたが、暫くすると口に入れた。 「美味しい?」 「……多分」 曖昧な答えだったが、龍麻はそれでも満足だった。 同じように別の器に移して、箸と一緒に八剣に渡す。 自分の分も用意しながら、こうして一人ではない食事をしたのが、随分久しぶりであったことを思い出した。 ふやかした干飯なんて、量にしてしまえばそんなに多いものではない。 出汁の湯に入っているから、汁物と似たようなものだ。 ふと隣を見れば、京子は勢い良く掻き込んでいて、器の中身はさっさと空になっていた。 「まだ食べる?」 「……食っていいのか?」 「うん。里に着くまでの食料はあるから。あんまり豪華じゃないけど」 「別になんだっていい。食えるんなら食う」 飯盒に残っていた干飯を、全部京子の器に注いだ。 思ったよりも気に入ってくれたらしいので、龍麻はほっと息を吐く。 「食べたら寝ていいよ」 「ん」 「その外套で包まって良いから」 「……ん」 最後の一粒まで食べ切って、ようやく京子は器から口を離す。 かなりの勢いで食べていたことから、本人は意識していないようだが、相当腹が空いていたらしい。 やはり八剣が言っていた通り、京子は自分の体内変化への感覚が乏しいのだ。 恐怖を感じる事がないのは、何を示して“恐怖”とするか判らない為で、今現在の状態でその感覚を感じる事があっても、恐らく彼女は自分が何を思っているのか自ら理解する事は出来ないだろう。 動物が本能的に感じ取ることも、頭で理解できないから、例えば手が震えるとか、足が竦むとか――――そうなる理由が判らない。 歩き続けて足が痛んでも、“痛んでいる”と思わないから、いつまでも歩き続ける可能性がある。 “疲れた”と思わないから、歩けるか否かと問われれば、まだ歩けると答える。 どうなれば歩けない状態になるのかを、京子は知らないのだ。 腹が鳴ったのは、体がエネルギーの補給を促しているから。 けれども“空腹”の感覚を知らなかった京子は、食の摂取に深い意味を感じない。 食べることが習慣付いていて、尚且つ目の前に食べる為のものが用意されているから、用意されている分だけを摂取する事しかしない。 恐怖も、疲労も、空腹も。 感じる事がないのなら、その方が良いと言う者はいるだろう。 しかし、それらは感覚・感情を持つ生き物として、須く存在するものだ。 それらを失ってしまったら、生きている証さえも感じなくなってしまう事になる。 口の周りを腕で拭う京子を、笑みを浮かべて見つめる八剣。 この人物が、遥か遠い昔から、たった一つのことだけを考えているのは知っている、けれど。 (――――――知らないままと、苦しくても知っているのと、どっちが幸せ、なんて) 考えるだけ、意味がない。 増して、他者が考えることではないと。 龍麻はそう思う。 空になった器と、箸をどうしていいのか判らない様子で、京子は龍麻を見遣る。 其処に置いていていいよと言うと、京子はその通りに地面に置いた。 両手が空くと、京子は外套を手繰り寄せて包まり、地面に横になった。 ―――――程なく、寝息が聞こえてくる。 「やっぱり疲れてたみたい」 「……そうだろうね」 あの狭い世界しか知らなかったのに、外に出た途端に二時間も歩いた。 大して運動などしていなかったのだろうに、それ程歩けば、普通は疲れている筈だ。 焚き火に照らされる京子の寝顔は、穏やかなもの。 随分深い眠りに落ちているようで、頬に触れてみても反応はなかった。 それでも、閃く炎に起こされることのないように、龍麻は自分の体で影を作る。 「一杯歩いたし」 「そもそも、京ちゃんは女の子だからね。あんなに歩かせるものじゃないよ」 「――――でも、あんまり塔の近くにいても、色々大変になりそうだったから」 「……まぁね」 なるべく、塔から離れて。 それでも少し、歩き過ぎただろうか。 いや、もうなんでも構わない、今は何も気にせず、彼女もゆっくり眠れるだろうから。 それから暫く、二人の間に会話はなく、木の爆ぜる音だけが響いていた。 夜の世界 : 第二節 えー……このパラレルの世界観と、現在の京子の異常性について、と言った所です。 なんか色々小難しい話になってごめんなさい(滝汗)。 世界観については、追々アレコレ書き足されて行くこと必至だと思いますι 京ちゃんは現在、リハビリ中と言う感じです。 やっぱりうちの龍麻と八剣は、仲良くするって言う選択肢はないようで(この話の二人の関係性は複雑…)。 |